「メリークリスマス」の季節

学業が忙しくて4ヶ月ぶりに大学に泊まった。もう何十回も泊まってはいるけど、やっぱりキャンパスを離れて家に向かうとすこし安心する。12月1日も23時を過ぎて、寒い空気のなか乗換えの電車を待つこと20分。シャッフル再生していたプレイリストから流れてきたのは二宮和也ソロ曲「メリークリスマス」。なんともいえない温もりを感じて涙がこぼれた。もう12月なんだ、クリスマスの季節だ。

 

この曲はTHE DIGITALIANの中でもイントロからいちばん惹きつけられた曲。アルバム全体を初めて聞いたとき、デジタル感はあるけど一曲一曲のインパクトは薄いなーと思ってたら、やさしいピアノから始まるこの曲にぐっと心を掴まれた。エレキギターインパクトと今までのニノのソロには無かった疾走感、音にぴったり合うニノの声。私は音楽構成について詳しくないけど、「We Wish You A Merry Chrismas」にコード進行が似ているためメロディが耳に残りやすい。

 

嵐の最新アルバムTHE DIGITALIANが発売された時、ニノから相葉ちゃんへと送られた曲なんじゃないかと"にのあい"ファンを沸かせたこの曲。私は嵐ファンだった時期もあるけど、コンビとしてのにのあいの関係性について深く考えたことがなかったから、にのあいっぽさは言われないとピンと来なかった。

  • ヘタクソな笑顔の僕と100%の笑顔な君   相葉ちゃんのことを「まぶしい」と言っていたニノと重なる
  • 帰り道は同じ   ニノと相葉ちゃんはJr時代、同じ総武線で通っていたことで有名
  • メリークリスマス   ニノは12月24日をクリスマスイブではなく相葉ちゃんの誕生日だと度々発言している

 おそらく以上の理由から一部のファンから"にのあいソング"と言われているのかな。

 

とはいえ歌詞全体をみると、普通のクリスマスと絡めたラブソングとも充分に捉えられる。

冬の駅前でずらっと並んでケーキを販売するサンタクロース姿の売り子たち。君と僕も短期でそのバイトをしてる。100%の笑顔な君が気になってるけど、僕たちはまだ話したこともないから、何も知らない。けど帰り道は同じだなんて奇跡だね。

聖なる夜、僕は君が街から出て行くことに気づいてバイトを抜けだして追いかける。サンタ姿の君を追いかけるサンタ姿の僕。まだ君との関係はなにも始まってないし、このままじゃ終われないから夢中になって探す。

やっと君をみつけた。人混みの中を走ったからか、君を前にして照れているのか、僕の顔は真っ赤。「ケーキの上の苺みたい」そう言って笑う君にみとれてしまう。街から出ていこうとしてる君に告白なんてできないから、呼吸を整えて最後に一言だけ「メリークリスマス!」

 

さて、ここから君と僕の関係は始まるんだろうか。最初は「サンタクロース」の解釈が難しいと思ったけど、サンタのコスプレをしてるケーキの売り子だと考えるとしっくりきた。これはあくまでも私が想像した物語だけど、他にもいろいろ考えられそう。ニノの曲はあれこれ想像しながら聞くのが楽しい。

 

前作のLOVEも第一印象は薄かったけどするめ曲が多くて昨年12月はずっと聞いていた。THE DIGITALIANも聴きこんでいくうちに好きな曲が増えていきそう。